きみは眼が見えない代わり真実だけが見える
だから誰もがきみを利用した
食料を余分に持って逃げたやつはさて誰と
殺されてしまう人の名を告げた
きみはそんなこと望みはしないのに
気づいてた いつかあたしもきみのため
誰かを殺める日が来るってこと
生きていくためなら当たり前のこと
季節は狂ったままで秋のあと夏がきた
誰もが水を探し求めた
きみにだけ見える水脈
教えろと首を絞めた
でもそれは遠い孤児院の井戸にい続く
その時が来たとあたしは悟った
鈍く光る刃物抜いて駆けた 闇が味方した
手応えははっきりあった 手はまだ震えてた
刹那明かりがあたしを照らした 仲間に押さえられた
そして両足の腱を削ぎ落とされてしまった
手で這ってきみのもとへ
あったことを伝えた
きみを連れて逃げることもできなくなったと
でもきみは精悍な眼差しでこう言った
ひとり殺ったらふたりも三人も同じと
きみが指し示すほうから敵は必ずやってきた
あたしはそれを斬り倒し続けていった
きみはあたしをひとりの戦士に変えてくれた
きみを守る それが唯一のあたしの生きる意味
時は流れひとつの伝説がまことしやかに囁かれた
難攻不落の城があるが不可解
その城の主は眼が見えず騎士はまともに歩けさえしないと
そんな奇跡を起こす奇跡もある
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